生きて死ぬ智慧

今日は表題の本をジュンク堂で購入。なんでも今大変売れているらしい。「般若心経の解説本なんて、他にいくらでも出てるのに、なんで?」と半信半疑で手にとってパラパラ見てみたが、これが中々に素晴らしいもので、「なるほど、これならば」とうなづける作品であった。特に、「色不異空」からのくだりの訳は絶品で、スーッと頭に染み込んでいくような感覚さえある。また、10年以上前に「日本語の勝利」という本を読んで以来気にかけていた、リービ英雄さんが英訳をされており、それもまた素晴らしいものであった。これは是非多くの人に手にとって見て欲しいと思う。
著者の柳澤桂子さんは、仏教の専門家ではなく、生命科学の専門家(かつ歌人)だそうだが、そのことにより、かえって、堅苦しい字面の解釈に陥らず、釈迦の思想の本質を見抜けたのかもしれない。私が老子の訳本で一番好きな「タオ 老子」を書かれた加島祥造さんも、本業は英文学であるし、今後、分野外の方によるこうした訳本の良作が続くことを期待したい。

今日の鍛錬

  • 立禅各種、ソン身五法、五行拳